PROJECT

クライアント様の課題

今までの不満は解決できるが、ランニングコストが高い・・・
新たな提案に対する、ユーザーの本音は?

Client
オムロン ヘルスケア株式会社 様
Period
2017年

「小児喘息のお子様を持つ親に寄り添い、喘息発作で苦しむ子どもたちを無くしたい。」という想いの実現のために。

ネブライザ(喘息治療などの薬液を霧化して気管支や肺におくるための医療機器)による投薬は、使い終わったあとの洗浄が必要であり、投薬を継続する負担となっている現状がありました。特に不意に起こる夜中の発作への対応は、寝ている家族への気遣いも大変です。そこで静音タイプで使用後の洗浄の手間が大幅に軽減される「使い捨てメッシュ式ネブライザ」の開発を進めてきました。(メッシュとは薬を噴霧するための重要なパーツで、そのメンテナンスを怠るときちんとした投薬ができなくなります)しかし、これまで必要がなかった交換メッシュのランニングコストが必要になります。果たしてユーザーはランニングコストを支払ってもその価値を手にしたいと思うのか、その価値がどんなシーンでどんなメリットを生み出すのかを正確に把握し、上市に向けた判断や打ち手のヒントを得たいというご要望がありました。

今までの不満は解決できるが、ランニングコストが高い・・・新たな提案に対する、ユーザーの本音は?

実施内容

グループインタビュー調査
ユーザーの本音トークで受容性を検証。ユーザーとともに、共感を生み出すためには何が重要かを考える。

  • 1小児喘息ケアのどこにどんな困り事が発生しているのかを、お母様同士で活発に話し合っていただく雰囲気をつくり、その場をファシリテート。
    →ネブライザを使用するというシーンだけではなく、小児喘息ケア全体の負担を理解し、どのような気持ちに寄り添わなければいけないかを感じ取ります。
  • 2ネブライザ購入のプロセスや使用実態を細かくヒアリングし、ユーザーがどのような視点で商品を選び、どのような言葉で不満や不安を語るのかに耳を傾ける。
    →お母様同士がネブライザーについて話し合う時のエピソードや言葉は、共感を生み出すコミュニケーションの重要なヒントとなります。
  • 3新たな提案を提示しながら、どのようなシーンでプラスの心理を生み出せるのかをモニターと一体となって話し合い、場の空気感を感じ取りながら受容性を見極める。
    →発している言葉の先に何があるのか、本当に言葉通りの評価か、深層心理を理解し、本質を感じとることが正確な分析につながります。

結果

小児喘息ケアの実態は想像以上に過酷であり、お母様の心身への負担は計り知れないことを企画者、開発者ともに実感。少しでも負担が軽減するなら、使い捨てメッシュのコストは受け入れられるレベルであることが確信できました。開発最終段階へのドライブがかかったと同時に、価値をどのように伝えればよいかというヒントもたくさん得ることができました。加えて、企画者や開発者の皆様が、今後も小児喘息の子どもたちを救うために一層貢献したいという使命感を感じることができたことも大きな収穫だと感じました。

クライアント様のお声

調査設計時には弊社の課題が整理しきれておらず、うまく言葉にできていない状態から一緒に検討し、進めていただき大変助かりました。困りごとを相談しているうちに、調査設計ができあがってるような感覚で大変驚きました。本番のグループインタビューでも、モニター様の言葉をまとめるだけでなく、言葉の奥にある感情、困りごとまで深堀していただいたおかげでユーザーニーズに応えた良い商品をチームで開発することができました。ありがとうございました。

オムロン ヘルスケア株式会社 グローバル商品事業部 金城 有紀 様

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