10月12日(木)に、アイ・キューブ事務所の3階にオープンしたばかりの“Co-Creation Space UOVO”開所式を行いました。当日は、メーカーで商品企画を担当されている企画者、デザイナー、建築士の方々やコンサルタントとして企業を支援されている方々など、各方面でご活躍されている皆さまにお越しいただきました。
企業の課題と“UOVO”開設への想い
取締役の小田より、開会のご挨拶と共に“UOVO”開設への想いを話させていただきました。企業様と仕事をさせて頂く上で、最近、こんな声がよく聞こえてきます。「今の延長線上に未来が見えない」、「ニーズなき消費社会(ニーズを聞いても答えられない)」、「創造的な商品企画でイノベーションを起こしたい」などなど…
そんな中、デザインシンキングに代表されるクリエイティブな発想手法を商品企画や開発に生かしていこうとする動きが盛んになってきております。弊社においても、新たなビジネス機会の発見、デザイン思考での新しい商品の企画、生活者起点の発想によるアイデア展開などのプロジェクトが急激に増えつつあります。プロジェクトを推進していくうえで重要なことは「生活者も意識していない本音をみつける」ことです。そのために、生活者のことをよく知るためのデプスインタビューやお宅訪問調査を行い、“どんな暮らしをしているのか”、“どんな人生を送っているのか”など、生活者の暮らしを観察し、そこから発想するようにしています。
“UOVO”では、生活者の観察から見えてきた本音を壁一面のホワイトボードを活用して見える化し、さらに発想を広げていく、深めていくということができます。
「企業の皆様」―「アイ・キューブ」―「生活者」
この場所が企業の皆様と生活者を繋ぐ場所になればと私たちは心から願っています。
「アイ・キューブ」の創業時、ITは急成長している時期でした。しかし、代表の広野は「人間にしか持ちえない知恵と感性を使って社会に感動を与え続ける」という事に拘り続けました。そして今、そこに「インサイトからデザインする」という考え方が加わりました。「企業様ともっとクリエイティブなプロジェクトを行いたい」、「弊社が行っている、マーケティングとデザインの融合を更に進化させたい」という想いから、発想を生み出す場「UOVO(イタリア語で卵)」が生まれました。
デザインの現場から~今求められるクリエイティブとは~
ワイエスデザイン取締役 兼 アイ・キューブ社外取締役の野口 聡 様より、“新規事業開発の現場”をテーマにご講演いただきました。野口様はインハウスデザイン等を経て、現在はメーカー内外を繋ぐ共創デザインテーブルディレクション(メーカー内外のスタッフを繋げて同じテーブルでクリエイティブなディスカッションを行い、ユーザーに伝えたい物語を作り上げていく)に従事しておられます。野口様は仕事をする上で「事業をどうかえていくか」という事を念頭に置かれているとの事。講演では、実際に携われたプロジェクトの中からピックアップした「どういう視点で考えるのか?!」についてお話下さいました。その中で、特に印象に残ったのは、野口様が造花の会社の方より「これまでの安っぽい、つまらない造花から、もっと人の心を豊かにする造花を作りたい」という相談を受け、考えられたのがお花を持ち運ぶ新しいスタイル。
スライド:お花を持ち運ぶ新しいスタイルの写真
大切なのは、“お花を売る”だけではなく「モノを含めた、行為をデザインすること」です。モノを取り巻く環境を変えることによってモノ自体が輝くと実感したエピソードでした。
発想脳になるために
皆様と「発想方法の共有」(日々、していること)をディスカッション形式で行いました。
「アイデアに迷ったら違うことをします。例えば、行ったことがない場所、行ったことないお店、食べたことがないメニューを食べる事で“未知を発見”することができます。」という意見や、「ひたすら動画や写真を撮ってみます。そうする事でキーワードを見つけ“フッとした瞬間に生まれる!”事があるのです。」という行動派の意見。また、「“新しいアイデアは既存のアイデアの組み合わせ!”4つのステップを踏む。リラックスして過ごしヒラメキを待ちます。」という準備をして待つ派の他に、行動しながら手応えを感じ進む派など、異なる素晴らしいご意見を聞かせて頂き、皆さまとても熱心にメモを取る姿も見られました。
懇親会~業界や立場を超えて、楽しく話そう~
ここからは、会場もセミナー形式からパーティー形式にスタイルチェンジ!お料理は、関西のインフルエンサー(インスタグラムにてフォロワー数が多く影響のある人)に今話題のお届けリストランテさんにお願いしました。会場のお客様も「インスタ映え!」とお喜び頂き写真を沢山撮っておられました。
そして、乾杯はアイ・キューブの成長をいつも近くで見守りいただき、広報活動をお手伝いいただいている「マーケティングPRプロデューサーの西山 裕子様」がご発声くださいました。
西山様は、P&Gのマーケティングをご経験され、現在は様々な企業のPR支援をされています。また、関西で広報を担当する150社以上の企業・団体の、研究会事務局もされています。
さて、会がはじまると業界や立場を超えて、いたるところで会話が盛り上がりました。
当日、クリエイティブ室の稲垣がホワイトボードに記したものを眺めながらディスカッションしつつ交流をしている方もおられ、リラックスしてお過ごしいただいた懇親会中に“金の卵”が生まれていたかもしれません。
夕方に、東京で会議が終わり急いで飛行機に乗り懇親会に駆けつけて下さった方や、実は飛行機の事情によりアメリカ視察からの帰国が遅れ、参加が会の途中となってしまった広野が登場すると、どなた様も文句を言われることなく「お帰りなさ~い!!え?!すっぴんですか?!」と歓迎する声や、笑いに変えて下さる様子を目の当たりにした、皆様の優しさに心温まり、心からこの御縁に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
広野到着で、改めて乾杯をしたときの一枚
お越しいただきました皆様、本当にありがとうございます。心より、御礼申し上げます。
さて、長文になってしまいましたが、お読み頂きありがとうございました。この開所式の少し前に 、社内メンバーで“UOVOの価値の共有”をしようとUOVOにてディスカッションを行いました。私の感想は、「全体を俯瞰してディスカッション出来る最大の魅力を体感し」鳥肌が立ちました。この部屋いっぱいのホワイトボードを使うと最初と最後の話した事“実は繋がっていた”。」という事があったり、「こんな事、今のディスカッションには関係ないし、発言は控えよう。」という事もボードに記しておくと「その時にはピンとこない意見でも後半、実はとても重要なワードだった。」という事に気が付く事があったのです。それらを体感し、アイ・キューブとご縁ある皆さまに “UOVO”をご体感いただきたいという想いが一層強くなりました。
当日の様子は、プロが作ったコチラの動画をご覧くださいませ。(撮影・編集 ピー・キューブ YURIKO IKEDA)
また、「こんな事で相談するのは・・・」、「活用できるかわからないけど、ちょっと、部屋を見てみたい」等など、些細なご相談も受け付けさせていただいておりますので、どうぞお気軽にお問合せくださいませ。